「食を考える」
前回,温室ガス軽減への行動として,パッションフルーツを使い緑のカーテンを作る,また,その果実を食することにより,人々の健康改善向上という二兎追うことを狙いにしていました。徳島県は,糖尿病患者数のワースト3以内に入る県です。もちろん,病院に行って治療しなければなりませんが,一方で,私たちが口にする食材の中にも,血糖値に良い栄養素も含まれていることがわかりました。日常生活において,自分自身で気をつけることができることがあり,それが食であると考えました。人は,母胎から離れると,食するもので体が作られてきます。毎日,食するものなら,体に優しい食材を調べてみたいと思いました。そこで,今回は,人々の健康改善について,「食」にターゲットを絞り,研究してみました。
「那賀ベジタブルへの訪問」
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(写真)那賀ベジタブル植物工場の棚 |
「植物工場」というのをご存じでしょうか?「植物工場」とは,植物に最適な内部環境をコントロールした半閉鎖的あるいは,閉鎖的な空間で植物を計画的に生産(栽培)しているシステムです。那賀ベジタブルは,徳島県那賀町にある完全閉鎖の植物工場です。主な生産物は葉物野菜で,グリーンリーフなどのレタス類やバジルなどのハーブ類が育てられていました。植物を育てる環境を制御することで,各葉物野菜の味や,食感が違っているのには,驚きました。温度,湿度,水質あるいは,光の管理などにより,それぞれの野菜の味をコントロールすることができるのです。できることは,味だけではありません。
商品の中には,腎臓に優しい野菜も生産されていました。本来,腎臓を悪くしている人々はカリウムの摂取が制限されます。過度な摂取をしない限り,葉物はカリウム摂取過多にはつながりませんが,当然,他の食べ物にもカリウムは含まれています。そこで,少しでもカリウム摂取をおさえるために低カリウムグリーンリーフ(からだを想う野菜)が誕生しました。
人の体を考える野菜,植物工場であるからこそ,可能であったのだと思います。
生産物のむこうに常に人のニーズを見つける。私は,那賀ベジタブルの柏木社長は,人のニーズも,大多数のニーズだけではなく,「あって欲しい」と願う少人数のニーズもきちんととらえて商品開発に望まれていることに本当に素晴らしいと思い,尊敬しました。ただ,やはりコストがかかる分,カリウムの少ない野菜は他のものに比べ,値段が少し高めです。
「適正値段を決めることが大切」と社長はおっしゃっていました。少しでも安く,おいしく食べさせてあげたいという思いでギリギリの値段設定をされていると思います。生産,マーケティング,環境設備において,那賀ベジタブルは,第6次産業の最先端であると思いました。
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那賀ベジタブルの商品 *袋も那賀ベジタブルオリジナルです。 | 那賀ベジタブルの生産過程についての説明を受けています。 |