イシマササユリ保護活動Ⅱ - 徳島県立新野高等学校公式サイト

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イシマササユリ保護活動

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2018/11/19	イシマササユリ保護活動Ⅱ	\| by:Web管理者

　１１月１６日（金）に今年度２回目のイシマササユリ保護活動を実施しました。植物バイオテクノロジーの授業を選択している２年次生と、徳島大学生物資源産業学部の１年生（本校の卒業生）が参加し、バイオロードに伊島中学校とバイオ球根３００球を移植しました。
　また、事前に伊島中学生や住民の方々が下草刈りや枝打ちをして、生育環境を整えてくださり移植作業をスムーズに行うことができました。大変ありがとうございました。
　新野高校としての活動は今回で最後になりますが、来年度、阿南光高校として活動を継続していきます。

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イシマササユリ保護活動について

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各種受賞

第３５回「徳島新聞賞」　教育賞を受賞

（平成１１年６月１日）
　野生のイシマササユリは、徳島県阿南市の沖合の島「伊島」にしか自生しないといわれている。しかし、その野生のササユリも群生地に雑木が茂り、日当たりが悪くなったことや乱獲により、絶滅が危惧されている。
　そこで、１９８０年代初めに伊島中学校が保護運動を始めた。これを知った本校は授業で手掛けているバイオテクノロジーで球根を増やす手助けを申し入れ、現在に至っている。

第２６回「教育奨励賞」　努力賞を受賞

（平成２２年１０月２５日）

　
　地域に根ざした教育や，創造性に富んだ特色ある教育を実践している小・中・高校に贈られる第２６回「教育奨励賞」努力賞を受賞しました。研究テーマは，「地域に根付く離島の花の保護活動」で，２０年以上に渡る伊島小・中学校とのイシマササユリ保護活動が高く評価されました。

室戸阿南国定公園指定５０周年記念
自然環境保全特別功労賞　受賞
（平成２７年２月２２日）
　伊島中学校や地域の方と共に活動してきたことが高く評価されました。今後も，地域の自然を守り，地域と共に活動を継続していきたいと思います。

「みどりの日」自然環境功労者　環境大臣表彰　受賞　[保全活動部門]
（平成２７年４月２２日）
新野高校の特色であるバイオテクノロジーを活用し，希少植物であるイシマササユリの球根を増やし，自生地への移植並びに生育環境の保全及び普及啓発活動に長年取り組んできたことが評価されました。地域や関係機関と連携しながらイシマササユリの保護活動・環境保全活動を推進していきたいと思います。

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ササユリとは

１）ササユリの特徴
　①学名
　　　Lilium　Japonicum　Thunb　(1784)

　②原産地
　　　中部地方中・南部，東海地方から近畿，中国、四国の瀬戸内海側に分布
していた。

　③形質
　　ア　球根
　　　　卵形で白か淡黄色であるが，陽光に当てるとピンクになる。中球性で
普通は周囲１２～１５㎝，重さ３０～５０gであるが，ほとんど分球せず木子
の着生も少ない。特に大球になると１００g以上にもなり扁球形となる。

　　イ　茎
　　　　細いが剛直で緑か帯白緑色，草丈はふつう５０～１００㎝である。

　　ウ　葉
　　　　短柄があり幅１．５～１．８㎝、長さ１５㎝程度の披針形、葉色は緑色で
      葉数は少なく、草丈１００㎝で１５枚程度である。

　　エ　花の特徴
　　　短筒形，花径１２～１３㎝，花超１２～１３㎝，花被長１４～１５㎝の横向き
      咲きで，花被の先端は軽く反捲し外花被先端に短距がある。花色はふつう
　　淡桃色であるが，同一自生地でも濃淡があり，白色変種も見られる。

　　オ　根
　　　上根と下根があり，吸肥力は上根が７０％程度。下根は水の吸収をして
     いる。乾燥すると枯れる。また，水もれしやすい。

　　カ　種子
　　　　朔果は倒卵形で１００～１５０粒。１０月末完熟１５０粒以上実らすと翌年開花しない。
      １粒４～６mgで淡褐色。

　　キ　葯の色
　　　　　　　赤褐色・・・花弁は濃ピンク
　　　　　　　茶褐色・・・花弁は濃ピンクが多い
　　　　　　　橙褐色・・・花弁は濃ピンクで葯は小さく，数は少ない

２）日本の各地のササユリの特徴
　①本州日本海側・・・・広葉
　②本州太平洋側・・・・普通種
　③九州宮崎北部・・・・起草起き（５月中旬）花の喉奥の赤紫色が濃い
　④愛媛の高知・・・・・・カルストを中心に覆輪ササユリが分布
　⑤徳島県神山町・・・・神領ユリ。蛇紋岩地帯に分布，細葉・矮性
　⑥徳島県木沢村・・・・蛇紋岩地帯，花の喉奥の赤紫色が濃い。葉は自覆輪があり，矮性
　　　　　　　　　　　　　　　九州産・カルスト産・神山産のミックス
　⑦徳島県伊島・・・・・・イシマササユリ，阿部砂岩層において孤立分布。海洋性気候のため広葉

３）生息地の状況
　①蛇紋岩・砂岩・石灰岩等の風化した痩せ地に育つ。腐植質を含む土は，雑菌により球根が腐る。
　②停滞水を嫌うので，斜面に多く生息。
　③日照を好み，乾燥に弱い。

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本校での取り組み

　植物バイオテクノロジーⅠ・Ⅱ講座選択生，バイテククラブ部員がイシマササユリ球根の増殖を行っている。

１．培地作り
　イシマササユリに適した培地を作成します。

２．無菌操作
　クリーンルーム内での作業では，見えない菌をいかに侵入させないかが難しい。


クリーンルーム	ササユリの球根移植
３．無菌培養　培地に移植した後，培養室（２３～２５℃）に移して球根を育てる。

培養室に並べられたフラスコ	球根を太らせていく

　　　　　　リン片からの子球形成　　　　　　　　　　　　　　　　　球根からの子球形成

４．無菌播種実験

　　　　　ササユリの種子　　　　　　　　　　　　　　　　　種子を殺菌して培地に移植

　　　　　　　　　　　　　培地への移植を繰り返し，１～２年で伊島へ持って行く

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活動の記録

　海亀の産卵で有名な阿南市蒲生田岬沖合に位置する　「伊島」
太平洋に面し，黒潮の影響で亜熱帯性の植生が見られ，屈指の漁場にもなっている。

　　　　　　　　　　　　　　　伊島小学校（左）と伊島中学校（右）

　組織培養により，成長した球根のスケッチ図や歴代の卒業生が研究した論文内容は，貴重な資料となっている。

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「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰の受賞

平成２７年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰
　イシマササユリ保護活動が、保全活動部門の「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰に選ばれ，
平成２７年４月２２日（水）に東京（新宿御苑インフォメーションセンター）で授賞式がありました。
　新野高校の特色であるバイオテクノロジーを活用し，希少植物であるイシマササユリの球根を増やし，
自生地への移植並びに生育環境の保全及び普及啓発活動に長年取り組んできたことが評価されました。
　今後も，地域や関係機関と連携しながらイシマササユリの保護活動・環境保全活動を推進していきたい
と思います。

　　平成２７年４月２４日　徳島新聞記事より

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第２回四国環境パートナーシップ表彰

　環境省四国環境パートナーシップオフィス（四国EPO)より，３０年継続してきたイシマササユリ保護活動に対して，第２回四国環境パートナーシップ表彰【森里川海部門】を受賞しました。また，同時に三井住友海上あいおい生命保険特別賞も受賞しました。
　今後も四国のESDや環境活動を新野高校から発信し，新たなアイデアを取り入れた環境活動を実践していきたいと思います。

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